内山 博の基地ミニ講座 |
|
2010/01/30
|
道央基地群を視察して
執筆者: 旅システム (3:44 pm)
|
２００９年９月２６日に、札幌東区９条の会・道央基地めぐりを平和ツアー連絡会・旅システムと合同の企画としておこないました。
東区９条の会さんでは、その後も基地や軍事費の学習会をおこない、川添政彦さん、上野和子さんに寄稿していただきましたのでご紹介します。 （内山） この目で見た広大な道央基地群今回通った千歳市郊外のコムカラ峠からは手稲、藻岩、恵庭、樽前など札幌近郊の一連の山々が一望でき、その下に広がる緑の大地とセットにした美しい風景や夜景は、雄大な北海道を表わす観光スポットでもあります。道央基地群はこの広大な大地に広がっており、道東の矢臼別に次ぐ日本第２の広さです。
道央圏にも米軍再編の波が冷戦終結の後、国際テロ対策などを口実に地球上のどこにでも先制攻撃を仕かける、ブッシュ前政権の世界戦略に基づいた米軍の世界的な再編が進められています。その主な特徴は�．茵璽蹈奪僂覆匹粘霖蓮�施設の返還・閉鎖・移転やドイツ・韓国などで米軍を削減し米国本土にシフトしながら、ハワイやドイツには高速輸送船や大型輸送機による機動的な展開が可能なストライカー旅団を配備する。��一方、東欧から中東・インド・東アジア（特に中国、北朝鮮）にかけての地域が近年テロの温床となり、米軍基地も少ない地帯であることから、「不安定の弧」と名づけ米・太平洋軍と在日米軍の再編で、これらの地域に緊急展開できる態勢の構築することです。
昨年からは千歳をはじめ全国６箇所で「沖縄の負担軽減」の名の下に、米軍のＦ１５戦闘機訓練の一部移転もはじまり、自衛隊にはある騒音や低空飛行の規制も米軍にはなく、違反しても罰金は日本側が肩代わりとのこと。千歳をはじめ全国７つの方面本部毎に都市型ゲリラ戦闘訓練場も稼動するなど、「日本をアメリカと一緒に戦争をする国」にする動きが一層進んでいます。 東千歳の市街地戦闘訓練場視察は紙智子参議院議員の申し入れで０９年１月末に行われた。第７師団正門からマイクロバスにて１０分位で「訓練場」に到着し、案内された管理棟で施設の概要の説明があり、質疑応答と見学を行った。施設は情報をモニタリング・集積する管理棟、３階建てマンション、２階建てスーパーマーケット、２階建て銀行、１階建て民家で構成されている。公園やバス停・宝くじ売り場を模した建物も配置され、マンション・スーパー・銀行を結ぶ地下道もある。建物は鉄骨造りだがドアや窓は訓練で蹴破っても取替えれるようコンパネで出来ている。施設は０７年８月から使用開始され、第７師団だけでなく北部方面隊の普通・機甲・特科などすべての戦闘部隊が使用し、これまでに約６千名の隊員が訓練に参加しているという。質疑応答では「米軍の使用」は「上級の調整による」とだけ答え、明確な否定をしなかった。自衛隊の米軍の技術的指導を受けた共同訓練の実態が、�‥亙討靴董↓∈瀑�米軍基地で、��自衛隊の市街地共同訓練場で、相次いで明らかになっていることから、東千歳でも必ず行われると思われる。０６年の中部方面隊の共同訓練ではイラク・アフガンを想定してか、敵役の頭に布を巻いて行っていたことからも、日本防衛のための訓練ではないことは明白であろう。
政権交代でも軍事費は聖域「２０１０年度の防衛予算と軍事費を考える」と題して北海道平和委員会の内山博さんが講演した主な内容は以下の通り。�（神�２２年度の防衛関係費の概算要求が自公政権では４兆８４００億余りが新政権では４兆７０００億と僅かに減っているが、内容的には一部の航空機や車両などの調達数を減らしただけで、ほとんどは買うということであり軍事費は聖域扱いである。�⊆�公政権時代にふみ出した、アメリカの先制攻撃に対する反撃を日本からのＰＡＣ３発射で迎撃するミサイル防衛システムやイージス艦増強の予算もそのままで変化は見られない。��０７年度の世界の軍事費比較でも日本は米英中国仏に次いで第５位だが、この４カ国は核保有国であり、通常兵器では日本は第２位ということ。�し�法９条を持つ日本で、なぜ軍事費が膨張するのか。そこには安保条約３条に基づく軍事分担からくりの構造がある。たとえば潜水艦発見が主な任務のＰ３Ｃ哨戒機（１機１３５億円）の、日本周辺海域を対象とする日本保有数が１００機に対し、西太平洋からインド洋を対象とする米第７艦隊のそれは僅か２７機である。�ゼ�衛隊の兵器調達は防衛省汚職に見られるように、米軍事産業に組み込まれ言い値買い。��思いやり予算が始まって２２年、その累計は５兆円、世界一気前のいい同盟国の揶揄も。米軍再編・グアム移転費３兆円の負担。�Г海譴薹鎧�費のムダを知って、くらし・福祉の運動へ活かすことが大切。文章・写真 川添政彦 上野和子 |
