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 旅システムさんのエントリ配信

2007/01/30
ジャンプレッツ北川健一施設長 ―自立支援法―

投稿: 旅システム (6:54 pm)
このコーナーは、いろんな分野のいろんな方に、今話題の事や専門の事などをお話していただくコーナーです。
第1回は、札幌市東区にある「社会福祉法人麦の子会 知的障害者通所更生施設ジャンプレッツ」施設長北川健一氏にお願いしました。
麦の子会さんでは、ジャンプレッツの他に「知的障害児通園施設むぎのこ」をはじめ、14の福祉事業を運営しています。
また、ジャンプレッツでは、障害者の働く場として、スワンカフェ&ベーカリー札幌時計台店(北2西2)も運営しています。




 「このままでは、娘はむぎのこに通うことができなくなります。」
 10月20日、札幌大通公園で開かれた、「異議あり!! 障害者自立支援法 どさんこ1,000人 緊急集会」の壇上から、全道から集まった2,000人を前に、「障害児通園施設むぎのこ」に通うRちゃんのおかあさんが切実に訴えました。
 2年前、厚生労働省が忽然と打ち出した「今後の障害保健福祉政策について(改革のグランドデザイン案)」。その時点で、日本の福祉制度は、「行政処分」としての措置制度から、障害をもった方々と福祉施設の契約による支援費制度へと大きく様変わりして一年半しか経験していませんでした。それなのに、また変えるという。そして、厚労省は、制度が変わっても福祉サービスの質や量は変わらないと盛んに力説していました。

 ところが、郵政民営化法案で大騒ぎしていた間隙を縫って、「自立支援法」が成立し、その半年後には施行開始という、誠に拙速な新制度のふたを開けてみると、従来の福祉を大幅に後退させるものでした。これでは「自立支援法」どころか、「自立阻害支援法」・「自殺支援法」と批判されるわけです。
 まず、四月から福祉サービスを利用すると、「応益負担」として10%の「利用者負担」がかかるようになりました。これまでも多少は負担がありました。でも、障がいを持った方々の収入を考慮した「応能負担」でした。ちなみに、ジャンプレッツを利用される40名の方々を比較しますと、今年3月、つまり、支援費制度最後の月の利用負担額合計は149,500円だったのに対し、4月、つまり自立支援法の最初の月の負担合計は、実に731,749円でした。1人平均3,700円が18,300円と、5倍にもなりました。最高は、実に45,000円を負担された方もいました。未成年の方は保護者の収入を見るので、負担が重くのしかかります。これが冒頭でご紹介したRちゃんのお母さんの悲鳴となるのです。

 障がいを持った方々は収入の保障がないままです。障害年金は一級でも一ヶ月約85,000円と、生活保護水準をはるかに下回ります。これで、どうやって負担せよというのでしょう。こどもの豊かな成長を願い、おとなになってからも地域で普通に暮らすことができるよう、障がいを持った小さい人、大きい人の福祉サービス利用は必須です。でも、お金がないと利用できません。そして、障がいが重ければ重いほど、10%の負担は重くのしかかります。
 施設利用もままならない。新サービス体系では、一年から長くても二年ほどで利用を止めなければならないものもあります。入所施設を「解体」する舵取りの受け皿としてのグループホームは、とてもまともな経営を望めない、低い給付額です。
 書き出したらキリがなくなりました。鳥瞰すると、日本の福祉を、障がいをもった方といえどもできるだけ就労させ(その理念そのものは原理的に否定しませんが、今の政財界が求めているのは要するに低賃金就労者の確保!)、お金のかかる入所施設を解体して地域で暮らさせるというのが見えみえです。しかも、近日的には介護保険に吸収し、国民から「障害者福祉」の費用を徴収しようとする目論見が見え隠れします。とんでもありません。

 その他、とてもこの紙面では書き尽くせません。文末に、冒頭でご紹介した集会の「緊急アピール文(要望骨子)」を転載します。問題の一角だけでも共有くださるとありがたいです。

緊急アピール

1.障がい児及び障がい児施設に対する、北海道独自の支援策を
2.低所得者層の定率負担に対する、北海道独自の負担軽減策を
3.グループホーム・ケアホームで安心して暮らすための支援策を
4.通所施設等の日中活動サービス・雇用促進に対する支援策を
5.障がい程度区分認定の速やかな見直しを
6.市町村事業が円滑に進められるための支援策を
7.厚生労働省に対し、北海道知事名にて課題解決のための要望書の提出を


 以上、北海道に強く要望します。 2006年10月20日
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